反対咬合の直し方

反対咬合は、基本上顎前突の上下逆をやるだけです。基本難しくはありません。ただし下顎の8番を抜歯するか?または8番を削合しなければなりません!

このケースは幸い8番がありませんでした。通常は超簡単な抜歯以外は大学の口腔外科へ紹介です。抜歯しにくい場合は

①先に8番の近心を抜歯して簡単に抜髄。数か月のちに遠心が近心起動してきたら残りを抜歯

(下顎管を傷つけるぐらいなら、矯正やらない方がマシです)

②8番の近心を削合。

で対処します。


ビフォー


ビフォーは青です。アフターは白。



下顎前突は、下顎の6,7間か5,6間にSIを打ち、7番を遠心移動、そのあと6番、45番一緒、3番、2-2番を順番に動かします。SIが必須です。SI(ショートインプラント)は移動する歯根がぶつからないように、糸目をかけず必要なだけ打ちます。

アフター


臼歯遠心移動の原則 ~Ⅲ級~①

 ① 顎間ゴムは下顎7番の遠心移動が2㎜以内 です。

(顎間ゴムは2mmが限界)

 ②上顎6-7間にSIを埋入し、Ⅲ級顎間ゴム をかけます。

③歯が移動するより、下顎が遠心に動き、顎関節が遠心に移動すれば効果が全くありません。気を付けてください。

顎間ゴムの場合


臼歯遠心移動の原則 ~Ⅲ級~②

 ① 顎内固定・・・下顎7番の遠心移動が3㎜以内 

(こちらの方が顎外固定よりも断然確実です) 

 

下顎7,6番の遠心移動時は下顎5-6間にSIを設置、下顎3番から下顎SIへ顎内ゴム 


下顎6番の移動完了後に、下顎5-6間のSIを撤去、

下顎6-7間にSIを設置し、下顎3番から下顎SIへ顎内ゴム


臼歯遠心移動の原則 ~Ⅲ級~③

顎内固定  ★より強固なアンカーが必要な場合

 

◆下顎7→6遠心移動時
  下顎6番近心 or 下顎5番近心にSI設置し、下顎5番 or 下顎4番へボタンを設置する。SIからボタンへワイヤー結紮して固定する。 

これにより、顎内での固定ができる。 

◆下顎7→6→5・4遠心移動時

 3‐4間にSIを設置して、3番ボタン とワイヤーで結紮する方法もあります。 この方法だと6番遠心移動完了後に SI再埋入の必要がありません。 

 臼歯遠心移動の原則 ~Ⅲ級~特別編 ④

③ 顎内固定・・・下顎7番の遠心移動が3㎜以内

 5mm以上の移動なら、ミニプレート(旧SMAP)設置指示を出してください。 (SMAPなら8mm以下の移動可能です)

ただし、ミニプレートが設置可能なケースは限られているので、極力下顎の遠心移動は3㎜以内に設定し、それ以上の移動は臼歯部のIPRで対応してください。 

安易に下顎の遠心移動を3㎜以上に設定しないでください!