実は私が矯正をやるのは顎関節症などの「咬合再構成のため」です。
審美のために、歯を動かして体の調子がわるくなったら本末転倒です。
30年前からミニスプリントを多用しています。
この昔の写真は顎関節が痛くなり、咬合調整したら、このようにメタルが目立つようになりました。だから今はインビザライン矯正で治し咬合再構成しています。
以前は、ASOインターナショナルにマルチループを曲げてもらい、上下左右の咬合平面を揃えて咬合再構成をしていました。
今はインビザラインで咬合平面の設定が簡単にできます
★かなり重要なので載せるのは2回目です★
矯正で顎関節の症状を起こすメカニズム
①#1のスタート
②#34、最初に前歯を圧下させたために、3番2-2番が咬まなくなっています。
③上顎右の6番、5番が、頬側の咬合を作るために歯を回転させため、咬まなくなっています。6番は全く隙間が空いてしまっています。
#43,5番6番の咬合は治りましたが、上顎3-3番が咬んでおらず、3番が回転してきています。
(以前の3番の回転アタッチメントの4番との隙間を比べてみてください。3番が遠心に動いています)
最後に咬合は回復していますが、約1.6年かかりました
3番のガイドの位置が最初と全く違います!
実はこれは3番は咬合していないのです
こうやって矯正中に顎が崩壊していくのです!
A,矯正の顎関節の治療の仕方
横浜市菊名開業の續先生に講習会をやってもらいました
顎関節症や顎の問題がある患者さんは、側方のガイドを
つけるため4番と5番は抜きません。セラミックは厳禁!
セラミックは砥石です!
これは金属のメタルガイドです。
私は「金」をつかい、良く3番の裏につけます。
3番のガイドの角度の設定は4番の側方と同じか、少しきつくします。
(きつめにして顎関節が、慣れて来たところで咬合調整します)
咬合再構成して、結果、開咬(Open Bite)になってもOKな場合があります
症例①は、頭痛が毎日続き、乗り物酔いが酷くなったために来院したケースです
4年間にいれた2-2番のメタルボンドで咬合が高くなって
下顎が遠心に下がったのが原因です。
前歯部のMBで咬合を高くすると、下顎が後方に引っ込みます!
前歯部の被せものは、咬合を高くしない様に、要注意です
症例②矯正の後戻りです。中高生に良くあります。
開口障害、耳鳴り、頭痛などを起こしました
ビフォー・前と前下、上顎左3番のガイドはあるが右はありません。
下顎が見えなくなるほど引っ込んでいます
治療は、上顎左右4番にミニスプリントをいれる典型的な療法です
5か月前のビフォー、5か月後のアフター
下顎前歯部を比較してください
5か月前のビフォー、、、5か月後のアフター
5か月後は下顎が前に出ました! 後方に下顎が転移した症例は3番と5番の前方の安定位置を探します。
B,ミニスプリントの軌跡の意味がわかりますか?
軌跡はこの基本の図が現れます
ミニスプリントを入れた歯は、その歯が圧下するので注意が必要です!
5番にミニスプリントを長期入れたために歯が圧下したためにFMCで咬合との隙間を埋めた症例
この右下6番(次をみると欠損している)は良くあるケースです。
主訴は右側の開口時のクリック音、左側の頚部の疼痛です
右の写真です。6番が欠損してから、7番8番が近心に倒れこみました
さらに、5番が遠心に動いています。だから右下の咬合が低くなっています。
8番を抜歯して7をUPライトします
右上4番にミニスプリントを入れます
下顎の6番欠損で挺出している上顎6番の形態修正をします
上顎左右の5番4番3番の形態修正をします
臼歯部の近心への倒れこみは、きちんと直します
續先生、下顎右のBrを3回、左の補綴も1回やり替えています!
仮歯を金属に置き換えたとたん、経験不足では延々咬合調整がかかります。續先生はこの治療をやって50年以上、自院の技工士さん2人とプロの技で咬合調整するので短時間です
❶私のオリジナルのTEKの咬合面を
ジルコニアに置き換える方法!
Br(欠損あり)の場合が便利です。ポンティックの部分でインプラント用のネジをつかいます。回転防止のピンあります。TEKをジルコニアに変えます
歯の土台は先にジルコニアで作ります。
その後上のTEKを作りいろいろ調整します
ジルコニアにの土台にTEKやジルコニアのねじ止めした所です
(金属でもOK!)
ジルコニアの土台にTEK(手前)とジルコニア(奥)の咬合面パーツ
(ネジ止め)
ジルコニアの土台にTEK(奥)とジルコニア(手前)の咬合面パーツ
(ネジ止め)
C,ほりまいBrは穴あきBr。無麻酔で形成は2分以内です。
ワックスバイトは必要ありません!咬合を変えない!縁上マージンにして歯周病予防。
續先生は「失P」でも縁上マージンです!リング義歯、自費(金)と保険(Pd)でクラスプの形を変えます。鉤歯3本で1本の歯を支えます
この図のように片顎の庄タイプのスプリントで患者さんの病状の判断をします。後でこの模様の解説をします。
正常な咬合設定をどうするか? 患者さんの咬合の変化をよく観察して、すぐに対応します!
調子が良い咬合になったら、臼歯部の隙間が空いたために、補綴で咬合をUPしている症例
症例③
この方の口腔内
噛む側の舌の背が良く使うので引き締まり小さく低くなります。(舌は筋肉です)
D,ミニsスプリントに描かれる図の解析について
この図の縮図が各歯のミニスプリントに描かれます。
片顎の庄のスプリントに描かれる模様の解析です
良く描かれる王道の模様です。
関節の動きを記録したこのワックスパターンである特徴がわかります。
それは何でしょうか?
比較的若い人です。症例かデモの為全方運動を取ってなかった可能性があります。
デジタル咬合器では、咬合採得の際に患者さんに良く動かすように指導します。
咬合した場所は削れていますが、下顎が前方運動した時、遠心移動した時ののワックスパターンは削られていません。
デジタル咬合器は、ワンクリックでワックスパターンに顎の動きを記録できます。一歯から全顎まで、どの歯の補綴にも最適です!
この変化は、比較的年をとった人のワックスパターンです
アナログのワックスでの咬合採得は、咬合位置だけの採得で側方運動を記録せずに技工物を作ります。
デジタルはいろいろな顎の動きを採得できます。
普段の臨床のCKの咬合調整で、削る所の多くは前方運動や側方運動する所です。前方運動や側方運動する所 の咬合採得をとっておらず、その動きを咬合器に反映できていないからです。
この症例のM近心を見てください。ワックスが削れています。近心運動をしているからです。
またL舌側と頬側をみると、この人は遠心運動しているので、削れています。
これはサイドシフトと遠心運動が多いので、高年齢の人の症例です
症例④
左側の腕が上がらない!精神的に落ち込んでいる。
「診断のためのスプリント」を作りました
これは最初だけ咬合を上げる治療ためのもので治療用ではありません。
全学的なスプリントの欠点
①ある時期を超えると、下顎が徐々に後方に(上方に)変位していきます
②長期にスプリントを装着した場合、除去した時に下顎の位置に大きなずれが生じます
この症例は上顎左の3番の舌側にメタルでガイドをつくりました。
他の医院で、多数のINを同時に入れられました。そこで開口障害を起こしました。
續先生はインレーを入れるのは必ず一歯ずつです。
症例⑤
顎が痛いので左のようなスプリントを入れられていました。
上顎ひ左の4番にミニスプリントを入れました
補綴の治療では3番の舌側にメタルを良く入れます。
(見栄えを気にする場合はインビザラインで治療します)
顎の「流れ止め」や「アンテリアガイダンス」を鋭角にするためです。
私がやる場合は「金」で作ります。